【10年前の自分、そしてこれからの自分へ】

#命日、#誕生日 、#転機

【10年前自分、そしてこれからの自分へ】

10年前の今日、人生が一変した。

きっとこれから先生きている中でも、これと同じくらい人生を変える出来事はそうそうないだろう。

多くのものを失った。

でも、多くの大切なものを手に入れた。

本当に自分にとって大切なもの、それは何かを知れる機会になった。

本当に大切なものは、すぐ手の届くところにある。

それを教えてくれた。

目の前にあるもの、普段当たり前のようにあるもの。それが本当に大切なもので、なくてはならないもの。

友達、家族、健康。

何不自由ない生活。

衣食住が担保され、安全に暮らせている。

ある程度自由な時間があり、好きなことができ、好きな人にも会え、仕事ができる。

人によってはもっと時間が欲しい、お金が欲しい、自由が欲しい、名誉が欲しい、物足りない。そう感じる人もいるかもしれない。

でも、自分にとってはもう十分だ。

今にとても満足している。

バチが当たるのではないかと思うぐらい幸せだ。

笑けてくるぐらい、涙が出るくらい。

大切なものはすぐそこにある。

もう手に入れている。

人は目の前にあるもの、当たり前というのを忘れがちだ。

すぐに眩んでしまう。

当たり前に使っている言葉。

当たり前に使っている手。

当たり前に使っている足。

当たり前に使っている頭。

当たり前。それがなくなってしまうと人は不自由さを覚える。

身をもって経験した。

大抵大切なものは失った時に気づく。

話せるはずの言葉。

伝えられるはずの思い。

思うように動くはずの身体。

見えるはずの視野。

当たり前だと思っていたものたち。

失うなんて思いもしなかった。

14歳の自分には失ったものが大き過ぎた。

辛かった。悲しかった。もどかしかった。

思うようにいかない。わかってくれる人もいない。

世界に取り残された。

障害を受け入れたくなかった。

認めたくなかった。

でもできない自分が確かに存在している。

障害を受け入れるにはできない自分を受け入れる必要があった。

「辛かったな。頑張ったな。必死だったな。いろんな葛藤、試練があったよな。」

入院中、ショックから立ち直る、自分を認めていく、そして障害に立ち向かう。

「現実から逃げたい。」

うまくいってくれない現実。

退院できる喜び。

退院して社会に出る恐怖。

社会に出て待ち受ける現実。

健常者と生活していく中で生まれる劣等感。

わかってもらいたいという思い。期待。

わかってもらえない気持ち。悲しみ、辛さ。そして失望。

前まではできていたという過去の記憶。今はできないという現実。

生きにくいという感覚。

障害がなければどんなに楽かという羨み。

もっと楽に生きたい、もっと良くなりたい、元通りになりたいという憧れ、願い、欲。

障害を負い、社会に出た。

中学、高校、専門学校、そして社会人。

周りが過去の自分を知っていて、病気になったことも知っている中学時代。

過去の自分を知らない、病気になったことも知らない中で生活する高校時代。

病気のことを学び、自分も周りも病気のことを知ってきた専門時代。

実際に病気の人と接し、自分のことを受け入れてくれる人が更に増えた社会人時代。

病気になって10年生きてきて、過ごすのがどんどん楽になった。

普通の人になりたいと切に思い、望み、願った。

今やそれが現実になっている。

夢が叶ってしまった。

人の痛み、辛さを知り、人の優しさ、思いやり、温かさを知った。

そんな思いを感じれるセンサーが病気のおかげで敏感になった。

きっと病気になったことで幸せだと感じるハードルが下がった。

幸せをたくさん感じられるようになった。

病気の代償、恩恵。

病気になって良かったとは思わない。

もちろんならない方が良かった。

そういう思いがあるのも事実。

病気にならなかったら違う人生が自分にはあっただろう。

でも、病気を経験して良かったと思える自分も確かにいる。

病気になって今、感じていることもただの合理化に過ぎないのかもしれない。

でもそれでもいいじゃないか。

何はともあれ、今はとてつもなく幸せだ。

こんなに幸せでいいのかと思うぐらい。これ以上のことがあるのかと思えるぐらい幸せだよ。

もうこのまま死んでもいいと思えるぐらいもう幸せだ。

後悔のない人生を生きているいる。

10年前の俺よ。

これから先辛いことがたくさん待ち受けている。

人より傷つき、苦労もする。

でも大丈夫だ。

お前が思っている以上に未来は明るいぞ。

願っていることだって叶ってしまうぞ。

今やれることをやり、決して諦めず、目を背けず現実を見て頑張れ。

今やれることをやる。

目の前にあることを精一杯、一生懸命やる。

そうすれば、気づいた時にはいくつもの山を超えている。

振り返ったら沢山のことを乗り越えて、成し遂げてるぞ。

今までの自分に感謝している。

踏ん張ってくれて、もがいてくれて、乗り越えてくれて、ありがとう。

諦めないでくれてありがとう。

そのおかげで今があるよ。

そして、その背景には助けてくれた人、支えになってくれた人たちがいることを忘れるんじゃないぞ。

辛く、目の前のことで精一杯で、自分のことすら手に回らない時もある。でも、自分が今存在できていることに感謝して。ありがたさを感じて欲しい。

そして、その思いを素直に還元していこう。

自分にできることをしよう。

これから先もそうやって生きていこう。

無理せず、ゆっくり、楽しみながら歩いていこう。

自分を嫌いにならないように、胸を張って生きていけるように。

自分をがっかりさせないようにこれからも生きていこう。

奢らず、自分を蔑まず、感謝を忘れずに生きて行ってくれ。

2024.6.30(日)

自分より。

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